昨日の復習

昨日、少し寝てしまったので、
日本対ナイジェリア戦の後半を見てみる。
日本の得点はオフサイドっぽい。
アナウンサーは、相手のオフサイドは大騒ぎするのに、
日本のときだけ黙っているというのも、
ちょっと変だ。

ナイジェリアの2点目は、
色々な思惑が隠されていて、
とても面白かった。

まず、この試合のナイジェリアのオフサイドは1つ。
日本は攻撃的にいくといっていたが、
攻撃的というのは、ディフェンスラインを上げて、
中盤をコンパクトにして攻めるというのが通常。
ディフェンスを上げた分、裏側に出たときは
オフサイドで止めることになる。
しかし、オフサイドをとれなかった時は、
走力勝負になってしまうので、
ナイジェリアのスピードを警戒して、
はじめからオフサイド狙いはしていなかったことが
数字としても、よくわかる。
言葉でいうほど、攻撃的ではなかったし、
オフサイドで止めようとしていなかった。
これが一つの伏線。

右サイドバックの内田は、
日本で唯一、通用していて、いいクロスを再三上げていた。
しかし、途中で負傷して、あまり動けなくて、
攻撃専用になってたらしい。
4バックなのに、右サイドはがら空きの状態。
内田をはずすと攻撃は弱くなるし、
その後ろに人を入れても、攻撃の人数が減ってしまう。
この状態で、右サイドはほとんどケアされていなかった。
これがもう一つの伏線。

この状態で、ナイジェリアはフォワードを7番の選手に交代する。
交代選手は、当然、試合を見ていて、
自分がでたらどういうプレーをするか、プランを練っていただろう。
なかでプレーしているよりも、試合全体を冷静に見ることができる。
監督も、どこに穴があるのかを指示したに違いない。
つまり、日本の右サイドはがら空きで、簡単に攻められるということ。
この10分前にも、日本の右サイドを攻める、左のFWを入れている。
しかも、FWが交代すると、
動きやポジショニングを把握するまでマークにはつきにくい。

同じ時に、日本は中盤の選手を交代させるそぶりを見せたらしい。
交代するらしい選手がでてくると、
選手はどうしても、「誰が変わるのか」を考えてしまう。
集中力が切れる可能性がある。

交代した、ナイジェリアの7番は、
一番はじめのプレーで、
日本の中盤で、スペースも見ずに、
あらかじめ決められた行動のように、
ヒールキックで、がら空きの日本の右サイドにパスを出す。
受けるのは10分前に入った、左FW。
これで簡単に3対2の決定的な場面が作られてしまった。
つまり、偶然うまくいったのではなく、
ロジカルな計算の上に行われたプレーだったのがよくわかる。

3対2の場面になって、
右サイドでドリブルする選手と、
ボールより前に逆サイドに一人、
中央にパスを出した7番の選手があとから追う
という展開になる。
ディフェンスは、これを二人で対応するために、
ボールよりの選手が、もう一人に逆サイドにマークにいけと指示する。
パスコースを消しながら二人を見るつもりだったのかもしれない。
しかし、この段階では、逆サイドの選手はオフサイドだった。
オフサイドを意識していれば、
中央の7番の選手を見るだけですんだはずだったが、
あわてて下がってマークにいくことで、
逆サイドもオフサイドにならなくなる。
しかも、マークできるところまでたどり着けなかった。
オフサイドをとるという意識がなかったことと、
完全にパニック状態で、中途半端なポジショニングになったことで、
ディフェンスが機能不全に陥ってしまった。
もちろん、はじめからディフェンスが一人少なかった
というのも一因ではある。

瞬間的な判断ミスは仕方のないことなのだけど、
オフサイドをあまり意識しない守備の仕方や、
右サイドの穴をケアしなかったこと、
交代したFWは一番注意しなくてはいけないということなど、
日本は、基本的なことをおろそかにしていて、
ナイジェリアは、あきらかに意識的に
その部分をついてきたということが、よくわかる。
わずか1分程度の間に、すべてが凝縮されていて、
見ていてびっくりした。

個人のプレーで勝てないのは、十分にわかっていたことで、
せめて、論理的に考える部分だけは、
きちんと用意すべきだったのだけど、
とても残念ではある。
決定力不足とか、不運とか、審判とか
そういうもののせいにしていては、進歩がない。
「ノンストップサッカー」とか
無理な精神論じみた話になってきたからなあ。
精神論を語り出した指導者は、
即座にクビとか、決めておいた方がいいんじゃないか。

期待を背負い続けて、本当に勝ってしまう水泳の北島選手はすごい。
小学校の頃、50mの平泳ぎが50秒台だったと思うけど、
小学生と世界記録とはいえ、
倍も速いんだよな。すごいなあ。

チベット問題で、北京オリンピックに抗議するなら、
オリンピックに無関心であることが一番。
テレビも見ないことが一番良いのだろう。
見ちゃって、文句をいうのは、
フェアじゃないかもしれないね。