日本ウェブ協会(W2C)が発足したらしい。
「日本語のウェブの質を向上させよう」
というコンセプトには賛同するので、
当初、参加してもいいかなと思ったりした。
しかし、内容を見てみて、躊躇してしまった。
若い人がもっと気軽に個人で参加できる必要があるはずなのに、
年度会費が、企業会員が24万円で、
個人会員が12万円というのは、
バランスが悪いと思った。
企業といっても、マイクロソフトとか、アドビとかが多く、
その半額を20代のクリエイターに出させるのは
何か違うのではないか。
結果的に、企業が多く、個人が少なくなってしまうし、
個人も著名な人にほぼ限られている。
本来、企業にいる人間も、
個人として参加するというのが
理想的な形だと思う。
こういったことを始めるのは
価値のあることだし、
行動を起こした人に対して、
何もしないで批判するのはフェアではないと思う。
でも、大企業のための組織にはならないでほしいと願う。
ちなみに、このサイトのトップの
「日本語のウェブの質を向上させよう」
という部分は画像なのだけど、
Macだったら、ヒラギノで十分だろう。
Windowsには標準で見出し書体がないので、
画像にせざるをえないわけだ。
当然ALTは指定してあるとはいえ、
データとしては、汚くなる。
Windowsに標準で見出し書体がないことの
日本語のWebに対する損失は、
計り知れない。
しかも、新しいOSであるVistaも、
同様に見出し書体がないままリリースしたのは、
信じられないことだ。
ここにも参加しているマイクロソフトが
本当に日本語のウェブを良くしようと考えているなら、
メイリオの見出し書体などといっている前に、
ヒラギノをie7にバンドルすべきだ。
こうしている間にも、Webページは作られ続けている。
できるだけ早い方がいい。
最近のアップデートの大きさを考えれば、
同様の方法でアップデートとして配布することは可能だろう。
それによって、ヒラギノの基本書体が売れなくなるわけだが、
その売り上げの数倍以上金額で
包括的なライセンス契約をすることは
マイクロソフトなら十分に可能なはずだ。
ここまで、日本語の表示環境を放置してきた責任は、
マイクロソフトにはあると思う。
大日本スクリーンにとっても悪い話ではないだろう。
OSを横断した日本語のテキスト環境ができるということは、
Webデザインにとっても、情報環境としてのWebにとっても
非常に重要なことだと思う。