iTunesMusicStoreで、
EMIがDRMなしの音楽データを販売することになったようだ。
音楽や映像やソフトなどが不正にコピーされて、
損害はいくらだと主張するが、
これらの時間的なコンテンツは、コピーするのは簡単でも、
聞いたり、見たり、使ったりするには時間がかかる。
人間の時間には限りがあるので、
コピーされたとしても、
実際には、聞かれたり、見られたりは
それほどされていないはずだ。
損害金額というのは、
「もしそれが購入されていたら得られるはずの金額」だが、
不正にコピーする人は、有料だったら買わないのだから、
現実的に考えれば
それによって売り上げが大幅に落ちるというわけではない。
「本来なら自分たちの利益になるはずなのに」という
卑しい羨望からくる机上の空論にすぎないのだ。
机上の空論によって正規ユーザーに不便を強いるのは
正しいこととは思えない。
まして、小さなスペースでコピーバンドが歌っていることにまで
訴訟に持ち込んでいるJASRACの態度は、
音楽を愛しているもののすることではない。
デジタルデータも、いつか歴史の対象になる。
素晴らしい曲が再評価されて、
それが、DRM付きのデータだけだったらどうなるのか。
DRM付きのデータというのは、
同じ音楽データであっても、単なる商品であって、
文化的な存在ではないといえるだろう。
不正なコピーを容認するわけではないけれど、
過度の制限は、著作権料の中間搾取者のエゴを満足させるだけで
ユーザーと制作者の利益を損なうばかりだと思う。