仕事をうまく進めるには、いいチームを作ることが不可欠だと思う。これが一番難しいのだけど。
「クライアントに振り回されるWebデザイナーに共通した、たった一つの特徴」で語られている、クライアントの指示は違和感の訴えであり、額面通りに受け取ってその支持通りに修正してしまうと、誰がデザインしているのかわからなくなるというのは、まさにその通り。
この場合、デザイナーと発注担当者が直接話しをしているのだけど、代理店が入ったり、同じ会社のなかでもディレクターや営業の人が間に立ったりすると、デザイナーと直接話すことがあまりできないということになり、さらにややこしい事態になる。一度修正を受けてしまったら、後から否定するのはむずかしい。本来、間に立つということは、その人が司令塔になるはずなので、その人の判断でクライアントを説得するなり、デザイナーに修正を支持するなりすればよいのだけど、間に立った人が意志を持たないで、双方の言い分を伝えるだけの伝書鳩になってしまうと、絶望的な状況になる。
この時、この間に立つ人というのは、「無難に仕事が片付けばいい」と思ってしまっている。心のなかでは部外者なのだ。こういう人はプロジェクトを進めるうえでのチームの一員ではない。むしろ、いないほうが仕事はうまくいく。大手代理店などに発注して、製作は外部で、ひどい時には何段階もということになると、部外者意識をもった人ばかりが間に何人も入ってくることになる。大きいプロジェクトになるほど起こりやすい。
重要なのは、部外者意識をもった人がいないようにし、個人として信頼しあえるチームを作ること。作業する人数は大きくても、重要な判断をする中心の部分はできるだけコンパクトにすることが重要だろう。目標を共有し、愛情を注げるなんてことは、それほど多くの人数ではむずかしい。発注の段階で、受発注関係を整理して、シンプルで強固なチームを作るということが大切だと思う。ここがきちんとできていれば、困難なことがあっても、たいていはうまくいく。本当に、難しいところではあるのだけど。逆にうまくいっていないときは、今の制作体制は、チームと呼べるような存在になっているだろうかと見直してみることが必要だと思う。