1月25日(金)に、多摩美術大学の「プレデザイン」という授業が公開授業になっていたので行ってみた。授業を担当されているのは、『自分の仕事をつくる』などの著書を持つ西村佳哲さん(Living World)、ゲストはグラフィックデザイナー佐藤直樹さん。
イベントという感じではなく、通常の授業が公開されているだけという感じだったので、大学についても掲示など何もなくて不安だったのだが、時間になると教室のテーブルを並び替えたりしているのが見えたので、どうやら間違いではなかったのだと一安心。
教室には長テーブルが並んでいて、はじめに外部の人が1テーブルに一人ずつ座り、そこに履修している学生さん達が3人程度ずつ座っていくという形で席についた。西村さんの全体的な話のあと、これまでの授業でどんなことをしたのかを学生が説明してくれる。このとき、説明している学生さんたちが、とても楽しそうなのが印象に残った。単なる講義ではなく、話し合ったり、身体を動かしたり、共同で作業をしたりといった形で、さまざまな工夫がされているようだ。
このあと、佐藤直樹さんが登場し、デザインの仕事に関わるまでの話をする。佐藤直樹さんの話を聞いてからテーブルごとに話あうというパターンで、休憩をはさんでグループ替えをおこなって、これを2回繰り返した。話を聞くというだけでなく、テーブルでの話し合いが付け加わることによって、話の聞き方も変わってくるし、印象の残り方も変わる。同じ話を聞いて、他の人がどういうところに関心を持つかを知ることも面白い。テーブルによって違いはあったかもしれないが、学生さんもとても積極的に話をしてくれた。公開授業にしたことは、学生、外部の人それぞれにとって、良い効果がでているように思えた。
この授業は、短期集中でおこなわれているということ。それがとてもいいと思った。大学生くらいの年齢の場合、1年とか半年という単位よりも、2週間くらいに集中して授業したほうが、身になると常々思っていた。時間の感覚というのは、年によってほんとうに変わる。20歳前後というのは、どんどん吸収できる時期であり、また色々気が散るもののある時期でもある。一つのテーマについては、短期に集中して考え、習得していったほうが効率がよいと思うのだ。教育の場合、年齢の差が大きくあるのに、年齢によって時間の捉え方が異なるという面にあまり注意が払われていないような気がする。海外の大学では、短期の講座はあるわけだし、日本の大学も、もっと柔軟性があったほうがよいと思う。ここで、その実例を見ることができてよかった。
佐藤直樹さんの話とともに、授業の進め方も興味深く、学祭とかではなく、普通のときの他大学に入って、学生さんと話す機会などあまりないので、この授業に参加してよかったと思っている。