日本のサッカーを見ているような

向谷倶楽部のレコーディングUst中継を見る。
レコーディング過程をほぼ丸ごと公開していて、
試みとしては、とても面白い。
録音技術など、勉強にもなる。
ミュージシャンもトップクラスばかりで、
演奏も手堅く、いい仕事をしている。
細かなこだわりもよくわかる。
Ustの多チャンネル配信も面白い。
この時期の企画としては素晴らしいと思う。
音楽家が今、やってみるべきことを
実現していると思う。

ただね。
音楽としては、イージーリスニングだよなあ
と思ってしまう部分がある。
もちろん、イージーリスニングをきちんと作るのは
とてもむずかしいし、悪いことではない。
演奏が下手じゃ、イージーに聞けないし。
でも、驚きとか、感動は、
この先にはないなあと思ってしまうのだ。
細かく繊細なエフェクト処理や編集も、
商品としての価値を高めることはできても
音楽としての価値を高めているかと思ってしまう。

うまくて、丁寧な仕事をしていて、
繊細な戦術を持っていても、でも勝てない
日本のサッカーを見ているような
そんな気分になってしまうところがある。