iPadが発表になった。
ネットブックに対向するという意味と、
AmazonのKindleに対向するという意味があるようだけど、
2つの方向性が曖昧になってしまっているかもしれない。
Kindle対策という意味では、
デジタルデータを売る実績からしても、
ハードの作り方の経験からしても、
Appleの勝利かもしれない。
生活スペースを本にとられているよりも、
電子書籍のほうがいい。
特に技術系は検索もできるし。
美術系書籍以外は、電子書籍にしてしまいたい。
色という意味では、美術系もモニタのほうがきれいだけど。
ePubフォーマットということで、
ほぼhtml的にレイアウトできるので、
これからは、Webデザインと印刷物のエディトリアルデザインの
境目がなくなっていくことになる。
Webだ、書籍だということ自体が、
無意味になっていくかもしれない。
しかし、ネットブックに対向する機器として考えると、
ネットブックはスピードはなくても
Windowsのマシンなら、標準的なソフトや周辺機器が動く。
ちょっとした修正くらいなら、
デザイン系ソフトもなんとか使える。
しかし、そういったこともiPadでは難しい。
iPadできないことはあるけど、
iPadにしかできないことはない。
クリエイターはMac、
それ以外の人はiPadという棲み分けなのか。
Appleは、クリエイターに人気のように思われているが、
実は、クリエイター以外の人に売れようとしている気がする。
荷が重すぎるのだろうけど、
MacOSが動いてほしかった。
メディアビューアーとしては優れていると思う。
しかし、Webができればいいという人には、
ネットブックの代わりになるかもしれないが、
クリエイター的な人には、物足りないだろう。
その部分が足をひっぱらないといいのだけど。
コンテンツ制作に関わる立場からすると、
iPadは、メディアビューアーとして成功してほしいと思う。
でも、使っているシーンが、今ひとつ思い浮かばない。
これまで、言われ続けていながら
なかなか普及しなかった電子書籍が、
やっと普及することになるのかという、
一つに節目に来ているのは確かだろう。
これまで、人類の知を蓄積続けてきた
「本」というものの形態が変わるかもしれない。
そして、そのときデザインはどんな役割を果たすのか。