高校には校則がなかった。

ぼくが通っていた高校には校則がなかった。
制服も決められていてはいなかったので、
私服でもよかった。
もちろん、法に触れてはいけないけど、
そういうことも含めて、
常識で判断してねということで、
大人として扱われていたのだった。

先日の秋葉原の事件のあと、
銃刀法を見直すなどという話がでてきている。
酒酔い運転で話題になるような事件があれば、
すぐに法律が変更になる。
ネットの有害情報へのアクセス規制など、
ワイドショーネタのようなことが起きると、
すぐに規制が強化され、
アンケートなどでも、ネットの件は別にしても、
規制することに対する賛成が多くを占めてしまう。
人々は安心の望んでいるのかもしれないし、
政治家や行政は、あとで問題が起こるよりも、
自分たちが仕事をしたことが示せるので、
どんどん規制を強化していく。
一つひとつは悪くないことかもしれないが、
このように、感情的に、安易に規制が増えていくことに、
平気になってしまうのは、とても怖いことだ。

ぼくは、そういう高校を選んだこと、
そして、そこで過ごしたことが影響しているのかもしれないが、
今のような状況には、強い嫌悪感を覚える。
みんな、若い頃、校則なんてくだらないって思わなかったのかな。
そういう気持ちを忘れてしまったのかな。
何をするにも規則ばかりに縛られる社会で
楽しく過ごせるのかな。
ぼくは、そういうことに対して、
気持悪いと思える感受性をもち続けたいと思う。