Tenori-on

YAMAHAが開発したTenori-onが発売になり
あっというまに完売だったらしい。
前から気になっていて、
ブログもずっと見ていた。
触ってみたいなあという気はする。
鍵盤が唯一の音楽のインターフェースというわけではないので
こういう試みはとてもいいし、ヤマハらしい。
音楽をコントロールするインターフェースとしては
面白いと思う。

ただ、一つ気になったのは、
「誰にでも弾ける」というのを売りにしているところ。
まあ、確かにそうだろうし、
広い層に売ろうとすれば、そうなるのだろう。
ただ、こういうシーケンス系のものって、
確かに誰でも音楽を作ったような気になる。
AppleのGrageBandもそうだけど、
リズムを自分で作るということをしなければ
音楽って簡単に、そこそこ聞けるものになるんだよね。
でもそれって音楽を作るってことなのか?

例えば打楽器で、難しいフレーズを一回叩くのと
簡単なフレーズをずーーと叩くのでは、
実は後者のほうが難しい。
でも、そのなかにこそ、本当に音楽的なものが生まれてくる。
リズムというのは、似て非なることの繰り返しなのだ。

そういう部分を一切カットして、
シーケンスに音を割り当てて、
はい、音楽ができましたっていうのには
かなり抵抗がある。
今の安っぽい商業音楽のほとんどはそうだけど。
そういう、似非クリエイティブみたいのって、
何も生まないと思う。

それは、もの自体のせいじゃない。
たとえばGrageBandは、はっぴえんどの録音機材より
基本的には高機能だろう。
でも、だれも勝ててない。
サンプルがたくさん入っていることで、
かえって、創作力をうばっているのかもしれない。

Tenori-onは、ドラムの音を入れたのは
よくなかったんじゃないかな。
それによって、単体で音楽ができてしまって
GrageBandのリアルタイム版みたいになってしまう。
KORGだったら、もう少し変なことをしたかも。

大きさはほぼ同じくらいで、はるかに安いけど、
パンデイロのほうが、生の音楽を指先から感じることができる。
まあ、ものは使い方なんだけど。

でも、楽器屋さんにあったら、触ってみたいなあ。