人もボールも横に動くサッカー

アジアカップ、日本対オーストラリア。
延長に入るまでは、
アジアとしては最高レベルの試合。
高温多湿のなか、どちらのチームも素晴らしい。
代表の試合で感動したのって、
久しく記憶にない。

しかし、延長にはいって、
ほとんどカウンターの危険もない状況で、
一度もチャレンジできなかった。
縦方向のポジションチェンジもないし、
ドリブルで仕掛けることもない。
疲れている状況で、ファールになる確率も高いので、
ドリブルで向かってこられるのが一番嫌だったはずだが、
単調に、サイドから放り込むだけだった。
もちろん、疲れはあったはずだが、
選手交代は可能だったのに、
監督は中盤が変わることを恐れ、
選手は無難なプレーを選択し続けた。
異常なくらいに消極的で、判断が遅い。
「人もボールも動くサッカー」ができたと
評価している人が多いが、
「人もボールも横に動くサッカー」だった。

ディフェンスの対策はほぼ完璧だったが、
信頼できるのがレギュラーだけという
ジーコの頃のような状態になってきてしまっている。
試合のプランが想定されてないので、
控え選手も、こういう状況になったら自分の出番
といった形になっていない。

オシムのもとで、日本の選手は成長するだろう。
しかし、オシムの采配は成長の余地があるのだろうか?
もし、このままの采配だとすれば、
アジアはともかく、
ワールドカップのレベルでは、かなりまずい。