大学に卒業試験

大学に卒業試験を導入しようとかいう
話があるらしい。
答えのあることを勉強するのは高校生までで、
大学は、答えのない問題に取り組むところ、
あるいは、それに取り組む姿勢を学ぶところであるはずだ。
そうであれば、
大学に統一的な卒業試験を導入するというのは、
大学の価値を無にすることだと思う。

最近では、先生の側もアンケートで評価される。
大学の授業というのは、
100人のうち一人にしか理解されなくても、
もっと言えば、その一人が死ぬ間際になって、
あの先生がいっていたのはこういうことだったのかと
やっと気づくようなものであっても、
価値はあると思う。
そういうものを大切するべきなのが、
大学というところだと思っている。

大学の時、月曜の1限の美学の授業で、
数人しかいない学生に向かって、先生が
「本当にいい本は50部くらいしか売れないものだ」
といっていたのを思い出す。
確かにそういうものだろう。
口当たりのよいものだけを評価するのは
大学においては、正しい態度とはいえないと思う。