チケットをもらったので
江戸東京博物館で開かれている
「始皇帝と彩色兵馬俑展 司馬遷『史記』の世界」
にいってきたのだが、
これが意外によい展示だった。
彩色兵馬俑は、やきものの上に漆を塗って
それに彩色しているらしい。
ほぼ実物大の人物をやきもので作るというのは、
現在でも、簡単ではない。
それも、あれだけリアルな造形で、
しかも、複製ではなく、
一体一体、顔もポーズも違う。
自分で多少、陶芸をやってみると、
この尋常でなさが余計によくわかる。
兵馬俑は8000体以上と言われているし、
そのほか、家畜などももののある。
犬の大群などもとても面白い。
興味ぶかいのは、
一体一体違うということは、
一人の優秀な作家がいたというのではなく、
少なくとも数百人単位で、
ほぼ同じクオリティの仕事ができる
職人集団がいたということだ。
それは、たとえば現在の日本の
漫画やアニメ業界のように、
作家だけでなく、
アシスタントでもきちんとした
描写力をもっているという状況である
必要があるだろう。
それ以上かもしれない。
少数の設計者と
多くの肉体労働者によって作られた
ピラミッドとはまったく違う。
あれだけの造形力というのは、
数年で身に付くものではないから、
造形力を育てる環境、
それで生きていける環境があった
ということになる。
政治的な背景などについては、
色々と語られているが、
実際の制作者の、文化的な背景は
いったいどうなっているのか
とても気になった。
昼に、両国でうなぎ&きじ丼を食べる。
タレの濃い、下町的な味でうまい。