少し前に「ウェブ進化論」を読んだ。
とてもわかりやすく整理されていて、
これは売れるなと思う。
■「こちら側」と「あちら側」
インターネットの「こちら側」のマイクロソフトと
「あちら側」のGoogleの2つを対比させているのは、
明快に単純化されていてわかりやすい。
一方で、マイクロソフトは、
常に「こちら側」と「あちら側」の区別を
なくそうとしてきた企業であるということも
忘れるべきではないと思う。
Windowsでファイルを操作する
いわゆる「エクスプローラ」は
ファイルブラウザであると同時に
そのディレクトリ名を示す部分に
URLを入力するとブラウザになり、
Webページが表示される。
ftpアドレスを入れれば、
ftpクライアントになり、
ローカルと同じインターフェースで
サーバー上のファイルを操作できる。
画像の縮小表示にすれば
画像管理用のブラウザにもなる。
一つのインターフェースで、
ファイルの所在地や種類を意識させないような
インターフェースを作ろうとしていることが
感じられる。
さらに、ファイルを開いたり、
保存したりするダイアログのなかも
エクスプローラそのものなので、
このなかでファイルのリネームや
画像の縮小表示が可能になっている。
ファイル管理に関するすべてが
同じ論理で貫かれている。
これは、逆にいえば、
同じコンポーネントを使い回している
ということなのだけど。
マイクロソフトがDOS(Disk Operating System)
つまり、ディスク内のファイル操作をするソフトを
スタートにしていることを考えれば、
エクスプローラが地味ではあっても、
どれだけの重要性をもっているかは想像できる。
そもそも、ieはなぜ「インターネット・
エクスプローラー」なのか。
ネーミングを見ても明かなのだ。
OSとブラウザの融合というのは、
独禁法問題でも争点になった部分だが、
マイクロソフトにとっては、
本質的な問題であり、
Netscapeなどが真似しようとしても
真似できなかったことだ。
ちなみに、DOSはそもそも
IBMのパソコンで動かす以前に
エミュレータの上で開発されていた。
もともと「あちら側」で開発されていたものだ。
「こちら側」と「あちら側」という考え方は
表現としてはわかりやすい。
しかし、IT業界全体の流れを考えると、
「こちら側とあちら側の区別をなくす」ということ、
ファイルがどこにあるのか、
どこで処理しているのかを
ユーザーに意識させないようにしよう
ということが、より重要であることも
忘れるべきではない。
これはもちろんgoogleも同じで、
googleのgoogle desktopや、
100ドルPCといった流れも、
そう考えると容易に理解できる。
■世代間格差
「インターネットに慣れ親しんだ若者」と
「使いこなせず、拒否感すら抱いている年寄り」
という構図は、一見わかりやすく、
一般的な認識といえるかもしれない。
しかし、例えば2chの
落語の掲示板なんかに書き込んでいるのは、
書いている内容から推測すると、
半分近くは還暦を過ぎているのではないか
と思われる。
そういった人たちが、2ch用語を使いながら
書き込みしていたりするのだ。
そもそも、この世代は、
高度成長のなかで生活が
急速に変わってきたのを体験していて、
新しいものを取り入れることには慣れている。
コンピュータに拒否感を持たない年寄りは
想像するよりはずっと多いと
考えた方がよい。
一方で、20代のなかには、
物心ついた頃からパソコンに親しんでいた
という人も多いのに対して、
携帯だけ十分、
パソコンなんて持っていないという層も
少なからず存在している。
一般的な思い込みとしての
若い人はパソコン世代、
年寄りはそれに取り残されている
という認識は、
必ずしも当てはまらなくなってきている。
還暦なんて、まだまだ若造らしいです。
毎日2ちゃんをチェックすると言ってました、その紳士は。
好奇心いっぱいのようで、すごく楽しそうでした。
2ちゃん用語は割りと古典な出典とヒネリが多いです。
2ちゃんは男社会なところも特徴かと思います。
あ~三太楼、復活してよ。