『ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術』の増刷の献本が届く。
ニュースステーション最終回。久米さんの乾杯は、感動した。
ニュースステーションの最も大きな役割は、
「中立な報道なんてものは存在しない」ということを見せたというところだと思う。
それまでの報道は、いかにも中立で、客観的であるかのように振舞っていた。
しかし、人間が伝える限り、そんなことは実際には不可能なのだ。
「偏っていたっていいじゃないか。これが僕の見方だ。」というのは、
態度としてはむしろ誠実だといえる。
しかし、それが普通になり、
ワイドショーのように感情に訴えかけるニュース報道が多くなってしまうと、
それはそれで問題でもあり、
ニュースステーションもその役割は数年まえに既に終っていたのは確かだろう。
少し前に、久米さんが長期休んだ時というのは、今から思えば、やはり止め時だったように思う。
久米宏にジャーナリストを求めていた人からは批判が多いようだが、
久米宏の言うことが正しいとか正しくないというのは、どうでもいいことだ。
久米宏は放送のプロ(テレビではなく、放送。ラジオの頃の久米宏はとっても面白かった)であって
ジャーナリストではない。
内容を求めるのは筋違いで、むしろ手法・メソッドの人だと思う。
一つのメソッドとそのサンプルを提示して、普及させて、
その普及によって、役割が終ったということなのだろう。
最後の晩餐というコーナーがあったが、
人間とは何かといえば、死を見つめて生きる存在なわけで、
高齢化社会がすすむなかにあっては、
高齢になってからどう生きるかということが、
もっとも切実な問題でもある。
そこに、魅力的なサンプルを提示してもらいたいと願っている。