Macworld San Francisco 2004が始まる。
apple.comでジョブズのキーノートを見る。
相変わらず、信者がいっぱい。
さすがに盛り上げるのがうまい。
あれはちょっと真似できない。
しかし、今のAppleの最大の問題点は、
「まわりに信者しかいないこと」のような気がする。
一番盛り上がったのは、
音楽制作ソフトのGarageBand。
AppleはLogicを買収しているので、
音楽ソフトを手がけていくのは、予想ができた展開といえる。
しかも、GarageBandはFinal CutについていたSoundtrack という音楽ソフトから、
ムービー画面を削除したようなもの。
「まったく新しいアプリケーション」とかいっていたが、
実はそうでもない。
むしろ、Final Cutに対するFinal Cut Exporessに近い。
そもそも、このソフトのコンセプトはWindows用の音楽ソフトACIDが
何年も前に実現していることで、
他にも同種のソフトは多い。
これで、あんなに盛り上がられては、他のソフトメーカーはかわいそうだ。
しかも、「ギターの弦に触れる音が入っているのがいい」なんて、
シンセの世界では15年も前の話だ。
とはいえ、GarageBandという、実にアップルらしいネーミングと、
最近のDTMに必要な、ループ・ソフトシンセ・アンプシュミレータをセットにしてあの値段は安い。
パッケージングの勝利。
音楽制作ソフトにどれだけの人が魅力を感じるかは、むずかしいところだが、
少なくとも、Ableton Liveなんかは苦しむだろう。
次はiDJがあってもいい気がするのだが。
ソフトシンセを使う音楽ソフトでは、
常にレイテンシーが問題になるが、そのあたりの情報には触れられていない。
ソフトシンセはG4以上に対応とのことで、最近のAppleの方向性から考えると、
CPUパワーで押し切るつもりなのだろう。
ASIOに対応しているのかとか、
ソフトシンセはVST互換なのかとか音楽ソフトに必要なことが
Webにも公開されていないのはどうかと思う。
Macはもともと「プロためのクリエイティブツール」だったという印象があるのだが、
最近のAppleのソフトは、Final Cutを除けば、どれも素人向けだ。
「用意されているものを組み合わせれば、誰にでも簡単にプロみたいに作れる」
それって、一見クリエイティブに見えて、
本当はまったく逆の発想のように思う。それでいいのだろうか。
そうはいっても、GarageBandは面白そうなのだが。