棟方志功はシャガールか

文化村の棟方志功展に和服でいく。
あまり寒くはないが、下駄が辛い。
慣れないせいもあるが、やはり東京は下駄で歩くようにはできていない。
この展示を見ると、棟方志功はシャガールに似ているように感じられる。
甘くファンタジックで、線がゆるい。
独特の世界を持っていて、好きな人が多いのは理解できるが、
作品としての緊迫感は感じられない。
今の視点で見ると、居酒屋の内装のようにすら感じる。
もう少し良い作品を見たことがある気もするのだが。

棟方志功の版木は、
すべてもう刷れないように処理されてしまっているという。
棟方志功は自分で刷りも行っていたので、
あとから別の人が刷れないようにということだ。
偽者がでると市場価値が下がるというのは、経済的には理解できる。
しかし、棟方志功の作品を本当にアートだと思っているなら、
版木にも命があるはずだ。
これはもうアートではなく、札束でしかない。

文化村からの帰りの地下鉄で、
三遊亭圓窓師匠が隣に座って年賀状の返事を書いていた。
なんと、とても近所に住んでいるらしい。
降りる駅も同じなので、ずっと緊張して固まっていた。
昔、笑点では円窓さんが一番好きだったのだ。

ドゥマゴで買ったパンを食べながら白ワインを飲む。
ドゥマゴのパンに入っているチーズがうまい。