東京デザイナーズウィークが開かれている。
ぼくとしては、楽器フェアのほうが行きたいが、
あいにく、どちらも行ける状況じゃない。
学生作品展のテーマは、
「地球環境に配慮した公園に設置する、
ストリートファニチャー」らしい。
環境問題が重要であることは間違いないし、
そういう意識を学生の段階で持ってもらうことは大切だろう。
基本的に、若い人ってエコは好きなんだよね。
それはすごくわかるんだけど、
若い時期にやるべきことは、
美しさについて追求することだと思う。
環境問題は年をとってもできるし、
ある程度の権限がないとできないことでもある。
しかし、センスを磨くことは、
年をとってからでは、なかなか難しい。
時間は一刻も待ってはくれない。
本当にモノ作りをやりたいのなら、
エコがどうのといっている前に、
手を動かして、感覚を磨けよといいたい。
最近のデザインには、
環境と使いやすさとビジネス
という逃げ場所ができてしまっている。
デザイナーが大人になりすぎて、
いい人になりすぎているんじゃないか。
ちょっと前には、使いにくくても、読みにくくても
ワクワクするようなデザインって
もっと多かった気がする。
ワガママで主張のあるデザインがあった気がする。
でも、最近は売れるためには、使いやすくするためには、
環境のためには、見た目だけではいけないと
デザイナー自身が口にしている。
それは進歩かもしれないが、
デザインを追求することから逃げている
ということでもあるのではないか。
デザインの世界にいる人みんなが、
環境と使いやすさとビジネスを
逃げ場所にしてしまっているのではないか。
現在、デザインもビジネスの一部である
ということは間違いがない。
しかし、だからといって、
デザイナーはいい人である必要なんかないのではないか。
論理から導き出せることだけでいいなら、
デザイナーなんかいらないだろう。