フュージョン系の地味なエアギタリスト

用賀のお寺で権太楼の落語。
畳一帖くらいの距離で聞く。
「黄金の大黒」の長屋の人たちが
とても可愛らしい。
「今まで完璧にできたってことはないですね」
という言葉に、権太楼ですらそうなら、
仕方がないよなあと、なんとなく元気になる。
それだけ、理想としているものが高い
ということでもあるのだけど。

その後、日比谷野音で、高中正義のライブ。
心配していた雨はほとんど降らなかった。
ドラムではなく、斉藤ノブのパーカッションが
ステージの中心にある、珍しい配置。
5時開演というのは、
まだ少し明るすぎて、盛り上がりに欠ける。
しかも、雨の降りそうななか、
トロピカル系の曲が続いて、すこしあわない。
バンドのメンバーはうまい人揃いで、
一つひとつの演奏はよいのだが、
今ひとつ、バンドのサウンドになっていない感じ。
暗くなってからは、ロック色が強くなって、
気のせいか、少し音も大きくなったような。
おなじみの曲はさすがに盛り上がる。
途中、一回退場したりして、
ここはアンコールなのか?2部構成なのか?
5時に始まっているので、構成がわかりにくい。
7時15分くらいに終了。

観客はほとんど年上のようで、大人な雰囲気。
曲にあわせて指が動いている
フュージョン系の地味なエアギタリストもいる。

演奏的には、なんとか満足とはいえるけれど、
「虹伝説II」のライブに比べると、
気合いの入り方が違う感じはする。
昔の曲をやると盛り上がるというのも、
演奏している側としてはやりにくいだろう。

PAの音に負けないくらい、虫の声が聞こえたり、
野音の雰囲気というのは、いい感じでもあるのだけど、
天気を気にしたりというストレスを考えると、
ちょっときついなあという感じではある。

気になったのは、入り口で
「会場内では傘は一切使用できません。ご了承ください。」
といっていること。
確かに、席で傘をさしたら迷惑だけど、
後ろの木陰とかなら迷惑にはならない。
それでも、傘自体があぶないというのなら、
グッズを売っているテントを用意しているのだから、
避難用のテントをいくつか用意するくらいしてもいいだろう。
グッズより、客を大切にしろよと思ってしまう。
あるいは、ご了承しない場合は、払い戻すとか。
仕方がないのはわかるけど、
ああいう言い方はないよなあ。