卒業式の国歌・国旗に関する裁判の結果について、
石原都知事や小泉首相が、
国歌や国旗に敬意を示すのは当然だ、
そんなことでは外国にいったら通用しない
といっているようだ。
その部分は、まったくその通り。
サッカーの国際試合の始まる時に、
君が代を大声で歌って、
相手国の国歌の時には騒いでいるような
サポーターには腹が立つ。
自国と同様に、あるいは招待しているのだから
それ以上に、相手国の国歌・国旗を尊重すべきだと思う。
しかし、この裁判の問題点はそこではないだろう。
君が代や日の丸の歴史的な背景に対して
どのような考えをもつかは、
個人の主義主張の問題であり、
通達で強制するべきではないということだろう。
「社会とはこういうものだ」ということを
教えることも必要ではあるのだけど、
多様性を尊重しなくなったら、
教育ではなくて、調教だと思う。
個人的には、
君が代はとても個性的であることは確かだし、
日の丸の極限のシンプルさは、
日本の美意識のある面を象徴している
といってもよいと思う。
というわけで、純粋に美的な観点からは、
敬意を持っている。
負の遺産のない国なんてものは、
どこにも存在しないのだし。