AWA、Line Music、KKBOX、使い比べ

AWA、Apple Music、Line Musicと立て続けにストリーミングサービスの発表やサービス開始にニュース。ここで一度シェアを取られたら、挽回は難しいということかもしれない。時代が変わるときは、一気に変わるものだ。そこで、サービスを開始しているAWA、Line Music、KKBOXを使ってみた。数日使ってみた印象をまとめてみる。

画面は美しいAWA

AWAは、画面のデザインは一番美しいと思うのだけど、使いやすさはそこそこ。ハンバーガーメニューがグローバルなナビゲーションとなるが、曲の再生画面になると、メニューアイコンが「…」になって、メニューの中身が変わる。このなかに「アーティストページに移動」や「収録アルバムページに移動」がある。よく見ればアイコンが変わっているのだけど、ハンバーガーメニューは中身が見えないので、あまり中身が変わらないほうがいい。「アーティストページに移動」や「収録アルバムページに移動」は、普通に、アーティスト名やアルバム名をクリックでいいんじゃないか。

ライブラリとしては、海外アーティストでも、カタカナ表記のことがある。曲名までカタカナだとわけがわからない。とりあえずデータを集めましたという感じで、データベースが整理されていない。PCでの使用やダウンロードして再生は、今後追加されていくらしく、現状は対応していないようだ。

ライブラリが整理されているLine Music

Line Musicは、再生を始めるまでのタイムラグが一番長いように感じる。画面のデザインはすっきりしているのだけど、階層が深く、「お気に入りアルバム」のページというように階層を下がっていくとハンバーガーメニューが消える。階層を戻っていかないと、ハンバーガーメニューが使えない。しかも、ハンバーガーメニューのなかに検索はなく、トップページに戻らないと曲を検索できない。ちょっとしたことをしたいだけでも、タップする回数がとても多くなる。

ライブラリは、ジャズ系なども意外に多く、データベースとしても整理されている印象がある。PCでの使用は今後開始されるらしいが、ライン自体が複数端末での使用を前提としていないので、タブレットと両方で使いたいというような場合は、ちょっと不便かもしれない。キャッシュからの再生には対応しているけど、どの曲がキャッシュされているかはわからない。またキャッシュされていても、1曲ごとにネット接続は必要らしい。

キャッシュの扱いが便利なKKBOX

話題になっている上記2サービスに比べて、ほとんど話題になっていないKKBOX。画面のデザインは素朴。曲を聴いている画面の「…」メニューで表示するアイコンとか、何を表しているのかさっぱりわからない。でも、画面下部にナビゲーションがあるので、検索もお気に入りにも1タップで移動できる、わりと使いやすい。ライブラリは、ダブリがあったり、カラオケが結構あったりで、データベースとしてはまったく整理されていない印象だけど、数は多い。PC用のアプリでも利用でき、Mac版もある。これは使いやすい。仕事をしているときに使うという用途では、Macで使えるのはとてもうれしい。「一緒に聴く」という、見知らぬだれかを一緒に聴く機能というのは、発想としては面白いかも。

最大の魅力は、ダウンロードしたキャッシュから再生できること。どの曲をキャッシュするのかを自分で設定できるし、どの曲がキャッシュされているのかはアイコンでわかる。キャッシュされている曲の一覧もある。ネット接続を切った状態でもキャッシュされた曲は普通に聴ける。10数時間のうちに一度ログインすればいいらしい。音楽だけにデータ量を費やすわけにはいかないので、これは素晴らしい機能。

地味なKKBOXが意外にいい

KKBOXは試用期間が7日間なので、しばらくはAWAとLine Musicを使ってみようかと思うけれど、この3つのなかでどれに契約するかといったら、自分としてはKKBOXがわりといいような気がしている。キャッシュの扱いが素晴らしすぎる。モバイルのサービスとしては、必須事項だと思う。データがどこにあるのかがわかるというのは、Appleをはじめとして、最近はあまりやりたがらない。データの場所を隠して、意識しないようにする方向性がある。でも、現在はまだ、それですむほど自由な通信環境ではない。むしろ、ちゃんと自分で管理できるというのはいいことだと思うのだ。

とはいえ、近々Appleが参入してくるし、iTunesのライブラリは明らかにこれらの3サービスよりはいい。データベースとしても整理されている。データベースの整理は地味で、しかも整理するのは大変だけど、使いやすいサービスにするためには必要なことだと思う。結局Appleなのかな、とか思いつつ、しばらく動向に注目したい。