WebSig1日学校2013でワークショップをおこないました

10月5日、WebSig1日学校にて、ワークショップを行ないました。WebSig1日学校は2010年、11年の講義に引き続いて3回目の参加になります。今回は、諸般の事情から、ワークショップでの参加ということになり、スパゲティ・キャンティレバーというワークショップを行なうことにしました。

キャンティレバーは建築の用語で、片側だけを固定して、反対側は空中に浮いている「梁」などの構造を意味します。スパゲティ・キャンティレバーは、食材であるスパゲティの乾麺を使って、ペアでキャンティレバーを作り、その長さを競います。

2013.10.5 WebSig1日学校ワークショップ スパゲティ・キャンティレバー

今回のワークショップは、メインの講義の裏番組みたいな感じでしたので、正直なところ、どうなるのか心配だったのですが、一番に参加してくれた学生さんをはじめとして、みなさん、本当に楽しんで参加してくれました。盛り上がりすぎて、隣の教室にいた人が驚くくらいだったとのこと。

楽しむということは、本当に大切なことです。無理に楽しませるなんてことはできません。本人のなかに、楽しむことができる感性がなければ、楽しむことはできないのです。おそらく何をするのかよくわからなかったのに、何かを感じて訪れてくれた人の感性、自分が楽しめるものを見つける嗅覚、シンプルなことに楽しみを見いだせる柔軟な考え方、とても素晴らしいと思います。

こういうワークショップで何を感じ取るかは人によってさまざまであり、違いがあるということに価値があると思います。まとめ的なことを言ってはいけないと思うので、ここから先は読まないでくださいね。

 

 

 

 

 

本当に、読まないでくださいね。

 

 

 

 

 

読まないでくださいといっているのに……。

このような課題に取り組むときには、こうしたらうまくいくんじゃないかと仮説を立てるわけです。本人は「仮説」とまでは思っていなくても、やはりプランはもってはいるわけです。少しずつコツコツ積み重ねていったり、一気に大記録を狙ったり。かなり性格が表れる部分でもあります。(見ていると、ここがとても面白い。)この段階では人それぞれであり、何が正しいということはありません。

しかし、どこかでそれを検証しつつ進めなければなりません。そして、多くの場合、なんらかの問題を生じます。どの段階で検証して、問題を解決していくか。必要であれば方向性自体を修正していくか。さらに、時間制限のなかで、その範囲で可能なことという着地点を決めて、危機管理をおこなっていくことを判断しなければならないのです。

これって、ほとんどのプロジェクト・マネジメントそのものですよね。無意識のうちに、このような判断を、しかも楽しみながら行なっているのです。こういう考え方を実際の仕事にも活かせないかなという方向性もあるかもしれませんし、実際の仕事のなかでのむずかしい判断も、こんなふうに楽しむことができないかという考え方もあるかもしれません。

ワークショップというものの存在意義のひとつとして、「感じることは、学ぶことよりも何倍も価値がある」ということがいわれますが、今回、このワークショップを行なってみて、参加していただいた方々の表情などを見て、物事を伝える方法というのはもっともっと多様で、工夫の余地があるということを強く印象づけられました。今まで、自分がやってきたことを反省する機会にもなりました。

ビジネスも、教育も、音楽やアートも、そのようなジャンルなど関係なく、人が人に何かを伝えるということの可能性は、もっと多様にある。すべてのことはやりつくされているように感じてしまうことがあるけど、本当はまだまだ未知の可能性がいっぱいあるのではないかと思わされました。

そういう意味では、僕自身、多くを学ばせてもらったと思っています。参加してくださった方、関係者のみなさん、ありがとうございました。