クリエイティブにおけるメッセージ

J-Waveの番組で高城剛が、アニメーションの監督に向かって、
海外のアーティストには主張すべきものがあるが、
日本人のアーティストにはそれがないといって責めていた。
監督は、僕にも主張があると言っていた。
それは、神田山陽さんがイタリアで、
イタリアのコメディアンには、
現在の問題に対するメッセージがあると言われたことにも
つながるだろう。

表現の裏にメッセージがあることが
素晴らしいことのように思ってしまうのは間違いだ。
主張すべきことがあれば、言葉で語ればいい。
クリエイティブなものに必要なのは、
政治的だったり、地球に優しかったり、
差別に反対することではない。
そんなことを大げさに語るのは、実は難しくない。
音楽は音楽として、絵画は絵画として
純粋であることのほうがはるかに難しいし、
大げさな主張をするよりも、
自分自身の内面を掘り下げるほうが
はるかに痛みを伴う。
そして、くだらないメッセージソングは
すぐに消え去るが、
人間の内面を語ったものは、
普遍性を持ちうる。