MIDNIGHT EXPRESS

イブの夜は今年もまた、
沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESSを聞く。
静かで、普通に語り続けるのを聞く。

普通であることが、
普通ではなくなってしまっている。
テレビもラジオも雑誌などのデザインも、
「それでは持たない」といって、
時間や空間が、余分な要素で埋められていく。
それは制作者の良心でもあるのだけど、
臆病な心の表れでもある。

普通であること、
大声ではなく、音楽にのせてではなく、
でも確かな声で
普通に語り続けることが、
今、とてもかけがえのないものに
感じる。