模倣と引用

ビデオカメラが届く。
SONY HVR-A1J
小型の業務用ハイビジョン。
1CMOSだが、XLRコネクターがあり、
DVCAMが使える。
個人がハイビジョンで撮れる時代になった。

漫画の盗作が話題になっている。
検証サイトを見ると、
たしかに指の形まで同じなので、
トレースしている可能性は高いのだろう。
しかし、部分的にはトレースしていても、
まったく別の絵として成立していて
音楽におけるサンプリングのレベル
といえるように見える。

絵画に限らず、文学も音楽も、
人間の創作活動というのは
模倣と引用の積み重ねでできている。
模倣できる技術があること、
引用できる知識があることが、
プロとしての最低条件であったことさえある。
そういった歴史に支えられて、
現在のクリエーターの創作活動がある。
そういったことをきちんと理解するなら、
パクった側は反省すべきだが、
別の作品としてきちんと成立しているのであれば、
パクられた側は、ある程度寛大な態度を
とるべきだろう。
自分の作品が貶められたわけでも
売り上げが減るようなものでもないのなら、
事実を認識してもらえば十分だし、
パクられるだけのクオリティであると
胸を張っていればよい。
叩きつぶすようなことはするべきではない。

トレースはやりすぎだが、
漫画の絵作りで、資料を探すのは
よくあること。
人気作なら、資料探しや背景描きは
アシスタントがやっていた可能性が
高いのではないだろうか。
本人の名前で出している以上は、
本人の責任ではあるが。

関係のない人たちが、
「正義」を振りかざして大騒ぎするのは、
とても気持ち悪い。
自分で本当にモノづくりしていない人に限って
パクりだと大騒ぎすることが多い。
「正義」の押し売りは、合衆国大統領と同じだ。